8/16/2012

東日本大震災:福島の山、泣いている 茂る雑草、とける苗木 除染進まぬ大熊の森林を歩く

 

 東京電力福島第1原発近くの山林に分け入った双葉地方森林組合(仮事務所・福島県田村市)の秋元公夫組 合長(64)は、荒れゆく山を目の当たりにした。福島県内の森林除染が進まなければ、第1原発から20キロ圏の汚染された山々は長期間管理できなくなる。 「山の荒廃が進めば、自然災害が必ず起きる」。悩みは深い。【栗田慎一】

 9日、海風が吹き付ける大熊町の山林に、震災後初めて、防護服姿で立ち入る秋元組合長に同行した。「こ このはずだが……」。組合が管理を任されている民有林だが、目指す場所が分からないという。スギの苗木が整然と植えられていたはずの斜面が、人間の背丈よ り高い雑草でジャングルのようになっていたからだ。

 確認できた苗木の高さは約80センチ、通常よりも生育が遅れているという。周辺には、セイタカアワダチソウやシダが覆うように生えている。苗木には日光はほとんど当たらず、幹はやせていた。

 「あと2年ばかし下草刈りをしなければ、ここいら全部の苗木はとけてなくなる」
 スギやヒノキなどの苗木は、移植後5年間は毎年1度、下草を刈る必要がある。雑草に負けて日光が当たらず、枯れてしまうからだ。林業関係者は「とける」と呼ぶ。


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