3/11/2012

県北部地震から1年 栄村、本格復興へ一歩 長野

 

産経新聞 3月12日(月)7時55分配信

栄村はきょう12日、長野県北部地震から1年を迎える。地震の爪痕が村内に色濃く残っているなか、JR森宮野原駅前に仮設の生鮮食料品店「がんばろう栄 村 駅前店」がオープンした。日々の買い物に苦労することが多かったが、店ができたことで村民の負担は大きく減った。課題もあるが、栄村の復興に向けた象 徴的な存在になっている。

店を経営しているのは村内でキノコの販売などをしている「田舎工房」の社長、石沢一男氏(62)。石沢さんの母親のマサさん(89)と弟の幸男さん(60)が村内で生鮮食料品店を経営していたが、地震で大きな被害を受けて壊れてしまい、店を閉じざるを得なくなった。

◆再開要望相次ぐ

多額の資金が必要なことから一時は店の再建は難しいとの見方もあったが、店の常連客から「再開してほしい」との要望が相次ぎ、駅前商店街や村役場の後押 しも受けた。閉店したことで隣接の飯山市や新潟県津南町の食料品店などに買い出しに行かなければならなくなったことや駅前商店街が寂れてしまうという危機 感が村内を覆っていた。

店を再開すべきかどうかという問題に突き当たるなか、仮設住宅暮らしをしていたマサさんが昨年の初夏に語った「店はやるよ」という一言が石沢さんを大きく動かしたという。

「田舎工房」も地震で大きな被害を受け、石沢さんは会社の操業再開に向けて奔走しなければならなかった。昨年8月には幸男さんが体調を崩して倒れてしま うという思いがけない出来事もあり、石沢さんは「しばらく茫然(ぼうぜん)自失となってしまった」というが、それでも店の再開に向けて走り続け、今年1月 28日にオープンにこぎ着けた。

再開した仮設の生鮮食料品店はプレハブ2階建て。1階は売り場で2階は倉庫となっており、売り場には刺し身、精肉、野菜、果物などの食料品のほか、トイレットペーパーなどの日用品が並ぶ。店内ではおにぎりや揚げ物を作って陳列している。

◆品数豊富、鮮度が命

石沢さんは店内の商品を細かくチェックして回り、毎日のように飯山市や新潟県十日町市まで商品の買い出しに出向いている。店内に並ぶ商品は約1000種 類。「とにかく品ぞろいが勝負。品物がちゃんとそろっていないとお客さんは二度と来なくなってしまう。もちろん生鮮食料品は鮮度が命です」

ただ、課題もある。例年にない豪雪の影響もあってか客足の伸びが今のところ予想ほどではなく、店の売り上げが目標の6割程度にとどまっている。石沢さん は春になれば状況が変わることに期待しているが、村の本格的な復興には商店街の活性化だけでなく観光をはじめとした産業の振興が欠かせないと感じている。

栄村は「日本の秘境百選」の一つに数えられている秋山郷があるなど観光資源に恵まれている。石沢さんの念頭にあるのが県内でも有数の観光地として知られ ている小布施町の街づくりだ。「小布施町のように観光客が絶えない街づくりができないだろうか。『観光ロード』のようなものをつくれないか」。石沢さんは 夢を描いている。

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