2/29/2012

ハイチ大地震から2年 テント生活51万人 いまだ遠い復旧

 

   写真 2010年1月12日 ハイチ大地震で亡くなった人は31万6千人程に及ぶ

カリブ海の島国ハイチが2010年に大地震に見舞われてから1月12日で2年。復興は遅れ、今もテント暮らしを続ける被災者は51万人に上る。テントの中は強烈な暑さに加え、雨期にはハリケーンにおびえる。治安や衛生状態は劣悪でコレラの恐怖もあり、被災者は長びく極限の暮らしに疲れ果てている。

 救助される子供の姿 2010年1月12日

 写真 2010年1月12日 ハイチ大地震で亡くなった人は31万6千人程に及ぶ



1月、家を失った約3000人が暮らす首都ポルトープランス西部シフェフのテント村には、援助団体が配布したシートや拾い集めた廃材で補強したテントがびっしりと並んでいた。排水が水たまりを作り、悪臭を放つ残飯に大量のハエがたかる。

「いつまでこんな暮らしが続くの」。穴だらけのシャツ姿でうつろな目をしたジュドネ・シャーリーンさん(20)が消え入るような声で訴えた。

地震で亡くした夫との間に生まれた3人の子供を1人で育てる。雑貨を売って得る収入は1日にわずか1ドル(約77円)から2ドル。テント生活の仲間から食べ物を分けてもらわなければ生きていけない。腕に抱いた末娘シャーリーナちゃん(1)の肌は乾いた泥とあかでかさかさ。首筋から背中は原因不明のできものでいっぱいだ。シャーリーンさんはつぶやいた。

「赤ん坊には不衛生な生活なのは分かっている。でも何もしてやれない」



■シーン2 「動物のような暮らしから抜け出したい」      

被災したハイチでは2010年10月以降、全土にコレラが拡大。現在までに52万人が感染、死者は7000人に達した。

シフェフでは死者は出ていないが、これまで約10人が感染。昨年12月に感染した女性、マグダラ・ジョセフさん(21)は「もう助からない」と感じるほどの激しい嘔吐(おうと)を繰り返した後、入院して一命を取り留めた。「子供のぜんそくは診察してくれないのに、コレラかもしれないと分かると救急車が飛んできた」。力なく笑った。


この2年間で、首都一帯の幹線道路から、がれきがほぼ撤去されるなど立ち直りの動きは見える。しかし、首都中心部の大統領府は今も地震で崩れた無残な姿のまま。近くの広場にも被災者のテントが無数に広がる。

ハイチ政府は昨年12月ごろから、被災者1家族に約500ドルを支給してテント村から立ち退かせる事業を本格化させた。

住民は言う。「もちろん、その先も楽ではないだろう。でも、動物のような暮らしから抜け出すきっかけがほしい」

(ポルトープランス 共同/撮影:AP、共同/SANKEI EXPRESS)



■ハイチ大地震 2010年1月12日午後4時53分、ハイチ共和国で起きたマグニチュード(M)7.0の地震。首都ポルトープランスをはじめ、各地で多くの家屋が倒壊し、死者は31万人を超えたとされる。日本から医療チームを派遣するなど各国が救援活動を展開している。

2012.1.15 13:14  産経新聞

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