2/14/2012

被災高齢者に広がる「生活不活発病」

 

仕事や趣味を失うことですることがなくなり、体や脳の働きが鈍る「生活不活発病」と呼ばれる病気が被災地の高齢者に広がっています。放っておくと、体が動かなくなるなど深刻な症状に陥ることも懸念されています。

宮城県南三陸町。町の職員が、ちょっと気になる症状の女性がいると聞いて様子を見に来ました。

「何もすることがない。あとは布団で横になってベッド行って・・・」(阿部あえ子さん)

阿部さんのように、震災後、仕事を失ったり、家庭での役割をなくしボランティアなどから必要以上に身の回りの世話をしてもらうことで、体を動かさなくなる。こうしたことが原因で起こる「生活不活発病」と呼ばれる病気が懸念されています。

「生活が不活発なことによって、それが原因で起きる全身の頭も体も、全身の機能低下。それが生活不活発病」(国立長寿医療研究センター・大川弥生医学博士)

2004年の新潟県中越地震で災害時には特に起こりやすいことが報告されていましたが、南三陸町で去年10月に行った調査では、震災前は元気だった高齢者のうち2割の人が歩行困難に陥ったという結果が出ました。これも、生活不活発病が原因ではないかとみられています。

町は、この結果を深刻に受け止めています。
「仮設住宅自体も狭いですし、周りに知り合いがいないとか、活動性が非常に低くなっている人が多いように思う」(南三陸町地域包括支援センター・ 高橋晶子主任)

町が主催した高齢者サークルの新年会。実は、これも対策の1つ。そのワケは・・・

「踊りをやろうか、どうしようかと迷ったんですが、皆さんのこの友達に『やりましょう』と言われて出てきたんです」(参加者)

意外に知られていませんが、支援に対する感謝と同時に申し訳ないという気持ちが生まれ、趣味を楽しむことへの遠慮が出てしまう人がいます。そこで、町が背中を押す新年会を開催しました。

「特別な運動をするとか体操するという事でなく、日頃の家事・仕事・趣味で自然に体も頭も動かすことが基本対策」(国立長寿医療研究センター・大川弥生医学博士)

心配された阿部さん。震災後、休んでいたワカメの芯抜き作業を再開することになり、徐々に活発な動きを取り戻しつつあります。

「休んでいればいいかと思っていたが、そうでもないね。随分楽したね、震災後。家族と仕事しているとやっぱり楽しいね」(阿部あえ子さん)

家の中に閉じこもって何もすることがない・・・生活不活発病はそこから始まります。趣味や仕事に目を向けて、人と交流することが大切です。(14日18:02)

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