1/11/2012

「震災紙芝居」に思い込め 妻亡くした神戸の男性

 

 2009年1月16日 (金)

1年がかりで震災紙芝居を完成させた桜井健さん=神戸市兵庫区水木通

2009年の当時の記事と写真

阪神・淡路大震災で妻を亡くした神戸市兵庫区水木通、桜井健さん(80)が、自らの被災体験をもとにした「震災紙芝居」を作った。失意に暮れる中、「前向きに生きよう」と始めた水彩画で、地震直後のがれきに埋もれた街や救出活動の様子などを丁寧に描いた。「地震の恐ろしさと助け合いの大切さを伝えたい」と、震災の教訓を伝える「人と防災未来センター」(同市中央区)に寄贈した。(岸本達也)

桜井さんは、妻の房子さん=当時(64)=と二人で暮らしていた築四十五年の木造二階建ての自宅が地震で倒壊。二階で寝ていた房子さんが亡くなった。外傷はなく、医師からは「ショック死」と伝えられた。一階で寝ていた桜井さんも柱や壁の下敷きとなり、六時間後に救出された。

房子さんとは、桜井さんが東京の農業大学に通っていたころ出会った。海外での農業指導、帰国後の会社員生活、自宅での学習塾経営、と懸命に働いてきた桜井さんを房子さんは支え続けた。

「カラオケが好きで、週二、三回は一緒にスナックに通った」という仲良し夫婦。元の場所に自宅を再建して娘家族と暮らし始めたが、妻がいない寂しさはどうしようもなかった。

「妻の分も頑張って生きなければ」と始めたのが、以前から興味があった水彩画と短歌。自作の歌に植物などの挿絵を添えた絵はがきを作っては、友人らに送り続けた。その集大成にと昨年春に紙芝居作りを始め、一年がかりで完成させた。

絵は全部で二十枚。自らの記憶と当時の写真をもとに、家の下敷きになった時のことから、地震後約一年間の出来事を街の様子とともに伝える。自宅跡の更地で行った妻の葬儀や、リュックサックを背負う「震災ルック」など、被災生活の様子も描いた。

自分をがれきの中から助け出してくれた近所の人、仮住まい先を提供してくれた友人たちに感謝し、災害時の助け合いの大切さを説いた桜井さん。「地震後に生まれた子どもたちも、この紙芝居で震災について学んでくれたらうれしい」と話している。

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