12/30/2011

津波でも給油可能に JX、石巻に1号店

 

産経新聞 12月30日(金)1時2分配信

 石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーは津波などに備えたガソリンスタンド(GS)を整備する。東日本大震災の際には津波で冠水したGSの多くで電気系統が損傷し、給油できない状態に陥った。このため防水型給油機や非常用発電機などを備えたGSを来年3月に宮城県石巻市に設置、平成25年度までに全12店舗を全国展開する。出光興産や昭和シェル石油も自家発電設備や太陽光パネルの設置を進めており、GSの災害対応力を強化する動きが広がっている。

 石巻市に設置するJXのGSは、建屋部分の耐震性を強化した上で2階建てとする。2階には発電能力70キロワットの非常用発電機、燃料電池を設置。冠水しても支障がないよう給油機は防水型とし、給油スペースの屋根には発電能力10キロワットの太陽光発電パネルも設ける。

 大規模災害時には、地域住民の生活インフラを支援する役割も持たせる。2階に貯水槽を設け、非常時には飲料水を提供。井戸水や燃料電池を利用して生活用水やお湯も提供できるようにする。屋上には冠水時に30~40人が避難できるスペースも確保する。

 通常、GSの設置費用は1億円程度だが、5000万円ほど上乗せになるという。石巻市以外の11店舗については、東北から九州の太平洋側で高さ3メートル以上の津波が予想される地域を選ぶ。今後も増設を検討するほか、非常用発電機だけを設置するなど立地場所に応じて震災に対応する。

 一方、出光は自家発電機の設置費(約100万円)の半額を補助する。出光所有のGSでは今年度中に200カ所以上に設置する計画だが、費用を補助することで販売店所有のGSにも設置を促す。

 また、震災直後には有線電話回線が不通になり、クレジットカードでの支払いに対応できないなどの支障が生じたため、無線電話回線を利用したPOS(販売時点情報管理)の早期導入が必要と判断。24年3月までに導入した販売店所有のGSに対しては、5月から1年間のシステム利用料を一部免除することにした。

 このほか昭シェルも自社所有のGS200カ所以上に太陽光発電パネルを設置した。節電に加え、非常時にはバックアップ電源として利用することを想定。今後も設置店舗を増やす。

 東日本大震災では岩手、宮城、福島の被災3県で多くのGSが長期間の営業停止を余儀なくされた。石油連盟によると、3県では震災発生から約2週間後の3月24日時点で、元売り7社系列の約4割となる680店が営業できない状況だった。

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