12/29/2011

家族らの「絆」胸に、被災地へ帰省ラッシュ「父ちゃんと会える」

 

東日本大震災後、初の年末帰省ラッシュを迎えたJR東京駅では29日、被災地の故郷や自宅へ向け多くの人々が家族への思いを胸に東北新幹線に乗り込んだ。

 福島市内の実家に帰省する東京都立川市の大学3年、山田修平さん(21)は「地震や原発事故の直後は今年は正月に帰省できないと思ったが、家族と無事に年末年始を迎えられて幸せだ」と話す。

両親や姉らは無事で、家の建物も問題はなかった。一方で南相馬市の祖父母が一時避難したり、母親が放射能の影響を気にしながら暮らさざるを得なくなったりと、原発事故が落とす影を耳にした。「当たり前と思っていた生活や家族の存在に感謝しなければ」。改めて実感しているという。

 仙台市若林区に帰省する山梨県忍野村の男性会社員(59)は「子供のころよく釣りをして遊んだ運河周辺が津波でめちゃくちゃになった。その様子をニュースで見て、涙がこぼれた」と、2年ぶりに帰る故郷への思いを口にする。

 姉やめいら親戚の無事は確認されたが、大学時代の友人の妻が車ごと津波で流され亡くなったと聞いた。「姉らの元気な顔を見て両親の墓参りをしたい。親類と顔を合わせる機会を増やそうと思う」と語った。

 「震災のため離ればなれで生活している、仙台市青葉区の夫の元へ」と新幹線に乗ったのは、現在は相模原市で暮らす坪里恵さん(33)。娘、玲衣(れい)ちゃん(2)は「父ちゃんと会える」とはしゃいだ。

犬の訓練士である夫は、動物の救援活動のため仙台にとどまっているが、坪さんは宮城県多賀城市内の精密機器工場の職場が津波で被災したため7月から神奈川県への転勤を余儀なくされ、今にいたっている。

 家族は無事だったものの、震災によって裂かれた生活はつらい。だが、娘の笑顔が救いだという。「限られた時間だが、今年の年末年始を3人で過ごせるのは本当にうれしい」と笑顔を見せた坪さん。夫と合流後、青森県の実家に帰り、玲衣ちゃんを思い切り雪合戦で遊ばせる予定だ。

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