12/27/2011

気仙大工の青年、伝統芸能復活に尽力

 


津波で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市。危機に瀕した地元の伝統芸能を復活させようと、立ち上がった一人の男性を追いました。

村上和三さん(27)。江戸時代から「気仙大工」と呼ばれ、全国でも名を馳せてきたこの地区の大工の世界に、高校卒業後すぐに足を踏み入れました。

「気仙大工と言われると、本当に技術の高い大工さんを指す言葉なので、(名に)恥じないような感じになりたいと思います」(村上和三さん)

今年、この大工の仕事以上に力を注いできたものがあります。それが、始めて18年になる太鼓です。

「自分にできることがなかなかないと思うんですけど、そんな中で自分は太鼓というものを通して、高田に何か貢献ができるのであればという気持ちで・・・」(村上和三さん)

太鼓は、陸前高田市の伝統的な夏の祭り、“うごく七夕祭り”にも欠かせない存在で、街にはいつも太鼓のリズムが流れていたといいます。しかし、例年12台 の山車が街を練り歩くこの祭りも、今年参加したのは2台だけ。長年にわたり、太鼓は地元の人によって叩き継がれてきました。

しかし震災発生後、町内会の住民が別々の仮設住宅に入居、伝統は危機に瀕しています。このままでは地域の祭り、地域の太鼓がなくなってしまうかもしれないと感じ、村上さんは立ち上がりました。

自分たちが動くことで、地元を去った若い世代を再び呼び戻すきっかけになれないか・・・村上さんは地元の青年会のメンバーたちと共に、県内のイベントで太鼓を披露することを決意しました。

「同年代とか20~30代の若い人たちに、何もないけど戻ってきてもらって、そこからまたみんなで何か作れればという気持ちがある」(村上和三さん)

この日は1000人を超える観客を前に演奏。力強い太鼓が会場中に響き渡りました。

「きのうの練習の方が調子が良かったので、何とか思ったことはみんな伝えられたと思う」(村上和三さん)

津波で3000あまりの住宅が被災した陸前高田市。村上さんは今後、ますます忙しくなるであろう大工という仕事に、真摯に向き合いたいと感じています。

「街の形の一つのパーツとして自分が携わっていけるのは、すごく誇りを持っていけることだと思うし、楽しみな点でもある」(村上和三さん)

村上さんは今、陸前高田の伝統を受け継ぎながら、若い力で新たな街を作るために動き始めています。(27日17:56)

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