11/01/2011

広がる野生動物への汚染 解禁目前、狩猟者は困惑

 

福島県を中心にした東日本で、イノシシやシカなど野生動物への放射能汚染が広がっている。11月の狩猟解禁を控え、関係自治体は「捕っても肉を食べないで」と呼びかけたり猟友会が狩猟者登録を控えるなどの動きが出ている。

各自治体はサンプル調査で鳥獣を捕獲し汚染量を調べているが、そもそも野生動物は歩き回ったり飛び回ったりするため、「正確な実態が分かりにくい」と頭を 悩ませる。年明けに本格化する除染作業も、山間部の優先順位は、都市部よりも後回しになりそうなことも、狩猟関係者の悩みの種となっている。

栃木県日光市で8月に捕獲された野生のツキノワグマの肉から、肉類に対する国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を超える677ベクレルの放射性 セシウムが今月12日、検出された。県では「汚染された果実などを食べて体内濃縮されたのでは」とみている。イノシシやシカでも汚染が確認され、範囲も茨 城、栃木、宮城と広域にわたっている。

そんな中、北海道を除く各地で11月から相次いで狩猟解禁が予定されている。環境省は「捕獲された野生動物は除染が必要なレベルより極小で、現時点で触っても問題はない」と時期の見直しはしない考えだ。

ただ、自治体側の不安は強く、福島県は今月14日、「狩猟の皆様へ」と題した文書を作成。イノシシ肉を食べないよう呼びかけているほか、キジ、ヤマドリなどの鳥類についても、モニタリング結果を注視してほしいと注意を呼びかけた。

 福島県自然保護課では「動物は動き回るため、狩猟できる地域、できない地域を限定できないところが苦しい」と問題の難しさを語っている。
 福島県猟友会の阿部多一会長(79)は「前代未聞の事態だ。会員も猟ができるか心配している」と話している。(天野健作)

2011.10.29 22:05 産経新聞

 

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