10/19/2011

子どものため、原発避け岡山へ--作家・金原ひとみさん

 

【文芸】芥川賞作家・金原ひとみ(28)、放射線から子ども守るため東京から岡山へ

東京電力福島第1原発事故による放射線被害から子どもを守るため、首都圏など東日本大震災の被災3県以外からも西日本に避難している人は多い。東京都か ら岡山市に自主避難した芥川賞作家、金原ひとみさん(28)は毎日新聞のインタビューに応じ、「子どもを被ばくさせたくない。危ないかどうか分からないけ ど、分からないからこそ避難した」と語った。【坂根真理】

震災発生翌日の3月12日、原発事故のニュースをテレビで見ていると、そばにいた夫と父親から避難を勧められた。その日のうちに長女(4)を連 れ、祖母が生前住んでいた岡山市内に向かった。臨月だったのですぐ戻るつもりだった。しかし原発事故が収束しないことに不安を感じ、4月、東京には帰らず に同市内の病院で次女を出産した。今は、長女を保育園に預けながら次女の世話をしている。

震災前は育児も家事も手を抜いていた。家事代行サービスを利用し、料理も週に1度作る程度だった。金原さんは「長女は生後6カ月で保育園に預け、 仕事と育児、遊びを全て堪能していた」と振り返る。しかし今は、次女に母乳をあげているため外食を控え、自分で料理を作るようになった。「とにかく、子ど もを守ることが大事だと思っている」

金原さんは今、2人の娘と兄らとの5人暮らし。周囲では、放射線被害を心配する心理を理解してもらえず、苦しんでいる人も多いという。金原さんは 避難した母親が子どもと2人きりになり、孤独に陥ることも心配しており、「もっと母親同士がつながれるといい」と力を込めた。金原さんも避難した当初、不 安から電話で夫と口げんかをし、ストレスがたまった。

震災後、放射線に関する本を大量に読みあさった。金原さんは「多くの人が原発の問題点を知らないまま生活し、その間に原発の危険が増した。同じことは他にもあるだろう。今回をきっかけに、他の問題にも目を向けるべき時期ではないか」と訴えている。

福島第1原発事故後、近畿・中四国の2府13県に避難した人は、毎日新聞の調べで5948人に上る。福島県からの避難者が3412人と6割近くを 占めるが、茨城、千葉両県や東京都など首都圏からの自主避難者も1075人に達した。放射性物質の除染が進まない不安から避難を決断する人が増加している とみられる。

岡山県市町村課は「母親と子どもだけで避難するケースが多い。7カ月たった今も増え続けている」としている。


毎日新聞社記事より

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