6/08/2011

横綱・谷風ゆかりの家/「土俵際」墓は耐え抜く

 

<壁に大きなひび>
仙台が生んだ江戸時代の名横綱谷風梶之助ゆかりの建物が、今回の震災で被害を受けた。子孫が暮らす仙台市若林区霞目の住宅で、谷風の生家の木材を使い1963年に建てられた。
横綱から数えて9代目に当たる当主金子晃弥さん(52)の母みつゑさん(81)は震災当日、家族と一緒に家にいた。揺れは小さく始まり、間もなく強くなった。みつゑさんは柱につかまった。家族に救出されて庭に出ると、家はねじれるように揺れ、きしんだ。

木造平屋の建物は8代目の晃一さん(故人)が旧家の木材を再利用して建てた。神棚があった8畳間の床板は、谷風が稽古場として使ったと伝わる一室の床板を用いた。
外からはうかがえないが、中に入るとほとんどの壁に大きなひびが入っている。天井と壁が離れ、屋根裏がのぞく部屋もある。

家族は住むことができないと判断し、建て替えを決めた。一部床板を再び利用することも検討しているが、みつゑさんは「もっと後世に家を残したかったのに、残念」とうなだれる。

<松の幹が支えに>
うれしいこともあった。自宅近くにある谷風の墓は、地震の揺れに耐えた。墓石が土台から大きくずれたが、背後に立つ松に支えられ、倒れずに踏みとどまった。
「墓だけでも残ってくれて良かった」とみつゑさん。墓を管理する市文化財課は「3月末にも松の幹を動かす工事を予定していた。残していた幹が墓を支えてくれたようだ」と話し、「土俵際」での踏ん張りに驚いている。

<谷風梶之助>第4代横綱。1750(寛延3)年に霞目村(当時)で生まれる。身長約190センチ、体重約176キロの巨漢で、69年に初土俵を踏み、後に2代目「谷風梶之助」に改名。89年に横綱となった。大関時代に63連勝を達成し、無敵を誇った。現在とは連勝の数え方に違いがあるが、現横綱の白鵬関と並ぶ歴代2位の記録とされている。

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