5/11/2011

大崎市仙庄館(宮城)/笑顔添えて朝コーヒー

 

川のせせらぎが聞こえる温泉旅館のロビーに、入れたてのコーヒーの香りが広がる。喫茶コーナーを切り盛りするのは旅館に避難している住民。宿泊客のいる日の午前中、無料でコーヒーを振る舞っている。

喫茶コーナーを担当する渡辺紀和さん(39)=南三陸町志津川汐見=は「『ごちそうさま』『ありがとう』の一言がとてもうれしい。一緒に働く仲間にも恵まれている」とほほ笑む。

毎朝立ち寄る避難者の後藤登さん(81)=同町志津川本浜=の楽しみはコーヒーだけではない。「彼女たちの笑顔を見ると、こっちも元気になるんだよ」避難者のほぼ全員が津波で自宅を失い、4月5日から2次避難先として身を寄せる。「できることは自分たちで」と、食事の配膳や脱衣所の掃除などを分担。農家を中心に、旅館が持つブルーベリー畑の管理も手伝う。

避難者の相談相手も務めるおかみの加藤陽子さん(64)は「避難している人たちに、こちらも助けられている。これからも互いに支え合っていきたい」と話す。

◇   ◇

●小山直さん(41)=南三陸町志津川十日町
仮設住宅への入居が始まったが、電気や水道が通っていない住宅もあって「帰るに帰れない」という声が出ている。ぜひ仮設住宅や避難所を最優先にライフラインの復旧をお願いしたい。

●佐藤みね子さん(65)=南三陸町志津川清水浜
先々は不安だが、9カ月の孫の顔を見ると心が安らぐ。仮設住宅の入居が決まったが、水や電気が来ていないようだ。引っ越し予定の5月下旬までに復旧してほしい。

●行場太一郎さん(81)=南三陸町志津川本浜
今まで住んでいた平地は地盤沈下してしまった。将来の世代のためにも、高台に住宅を造り、津波の心配がない街づくりを進めてほしい。

●山内夏海さん(28)=南三陸町志津川御前下
町営住宅入居の抽選があったことを締め切り後に知った。避難所への情報伝達に遅れがあると感じる。多くの人は移動手段もない。情報が行き渡るようお願いしたい。

●山内晴君(4)=南三陸町志津川御前下
みんなと隠れんぼや鬼ごっこで遊ぶのが楽しい。大きくなったら(戦隊ヒーローの)ゴーカイブルーになりたい。お母さんを守って、何でも買えるようにお金をあげたい。津波に流されちゃったゲームも買いたいな。

●阿部紀美さん(42)=南三陸町志津川塩入
何もかも流されてしまったけれど、消えることのない思いやりや感謝の気持ちを貯金みたいにためていきたい。涙が出る時もある。でも、笑顔を忘れずに子どもたちを心豊かに育てていきたい。

●西城こゆきさん(89)=南三陸町志津川十日町
何十年も住んできた家を津波で失い、息子と2人で避難した。皆さんのおかげで安心して暮らしている。できるだけ早く、元の暮らしに戻れるよう願っている。

2011年05月11日水曜日

<住所>大崎市鳴子温泉星沼28の2
<避難者数>165人(10日午後5時現在)
<避難地区>宮城県南三陸町志津川十日町、塩入など

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河北日報

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