5/25/2011

離職者支え生活再建/気仙沼復興協会会長・小野寺幸雄さん

 

―「復興協会」設立の目的は。

<多様な市民参加>
「今回の大震災で、水産業など多くの気仙沼の個人事業主が離職を余儀なくされた。それらの人たちの収入確保の道を探し、一日も早い生活再建をサポートしていく。被災した市民が市外に転出することなく気仙沼で働き続けることで、初めて復興が進むことになる」

―協会組織の位置付けは。
「少しでも早く設立したいと思い、4月末に任意団体でスタートした。NPOという形が一番よいと考えており、現在、法人格取得に向け準備を進めている。自分は建築・設計に携わっているが、気仙沼を何とかしたいという志を共にする多種多様な市民が設立に関わっている」
―どのように雇用の場を見いだし、求職者に働いてもらうのか。

<協会が雇用主に>
「国の予算配分を受け市が実施する緊急雇用対策事業の一部を受託する。協会が雇用主となって求職者である会員を現場に送り込む。例えば、がれきの撤去や田畑の片付けなどは、重機が入れない場所だと手作業にならざるを得ない。避難所での子どもの一時預かりや、仮設住宅での高齢者のケアなど、復興関連の仕事は他にもたくさんある。われわれがそこを効率的につなげていく」

―会員規模や事務局体制は。
「登録制で現在200人ほど。市内在住で仕事を無くした人が対象だ。口コミで増えているようだ。時給は900円~1000円程度の線。事務局でマッチングするが、仕事量を増やさないと会員数も拡大できない。現場でコーディネーターとして働くメンバーが市内を回り仕事の需要を掘り起こしている。事務局体制も強化していく必要がある」

―民間で取り組む優位性はどういう点か。

<起業の発想期待>
「市が直接雇用できる部分には限界があるし、個々の人々の雇用に行き着くまで時間が掛かる側面がある。民間の機動力を生かせば、多くの人がスムーズに働ける態勢を取ることができる。ただ、社会保険の事務手続きなどに法的な縛りがあってやりづらさも感じている。今は平時ではない。国や県に一層の要件緩和をお願いしたい」

―組織として将来的な可能性は。
「ただ、働いているだけでなく、それをきっかけに新しい復興の展開につながるようになればいい。会員がグループで議論する中でアイデアを出し合い、会社を共同経営しようという起業の発想が出てくる可能性に期待している。この組織をステップに、会員がきちんとした仕事に就くことができるようになるのが理想だ。それまでしっかりと応援していきたい」

(聞き手は菊池道治)

<おのでら・ゆきお>気仙沼市出身。武蔵工業大卒。県建築士会副会長、気仙沼商工会議所建設業部会長などを歴任。多くの地域づくりプラニングに関わる。

2011年05月26日木曜日

河北新報

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