4/17/2011

東電、厳しい資金調達「2兆円いずれなくなる」

 

東京電力は17日、今後6~9か月で福島第一原発事故の収束を図る工程表を発表したが、収束までの期間が長引くほど、原子炉を安定させるための設備費用だけでなく、賠償金の支払いなど必要な資金が膨らむ。

 事故が収束しても農業や漁業の風評被害などで賠償額がさらに膨らむ可能性がある。東電は、社債による資金調達が難しくなっており、政府は賠償策の枠組みを早急に決める必要がある。

 ◆創業以来の危機◆

 勝俣恒久会長は記者会見で「創業以来最大の危機」と述べ、経営が非常に厳しい状況にあるとの認識を示した。

 東電は、地震発生直後に、大手銀行などから約2兆円の緊急融資を受け、当面の資金繰りにめどをつけた。しかし、原発に代わる火力発電所やガスタービン発電の設備費用や、当面の原発の安定化の費用などで「手持ちの2兆円はいずれなくなる」(証券関係者)との見方が出ている。

 ◆資金負担◆

 福島第一原発の被災者への賠償金の仮払いが始まることで資金繰りはさらに厳しくなりそうだ。当面、1世帯あたり100万円(単身世帯は75万円)の仮払いだけで総額500億円かかる。避難の長期化でさらに複数回の仮払いが必要になる可能性が高まった。

 金融界では、「東電は今後1年間で、社債の償還や借入金の返済だけで1兆円強が必要」(大手証券会社)とみられている。東電の格付けは下がっており、新たに社債を発行して資金調達できるかどうか不透明だ。地震直後に2兆円の融資に応じた金融機関も政府保証なしに追加融資に応じることは難しそうだ。

最終更新:4月18日(月)9時55分

読売新聞

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