4/14/2011

北前船の復元船「気仙丸」無傷で残る 大船渡

 

岩手県大船渡市の蛸ノ浦漁港に停泊する北前船の復元船「気仙丸」が東日本大震災の被害を免れ、ほぼ無傷で残った。他の多数の漁船は津波にのみ込まれただけに、関係者は「海に携わる者たちの希望になる」と、地元船大工の技術の粋を集めた古船が生き残ったことに元気づけられている。

地震発生から約40分後、蛸ノ浦漁港は高さ11メートル以上もの津波に襲われた。漁港周辺の水産加工場や民家は壊滅的な被害を受け、漁港に停泊していた漁船など約50隻も流された。残ったのは気仙丸を含め3隻だけだった。

気仙丸は江戸時代の海運の主役で、大船渡などのフカヒレや干しアワビを江戸方面に運んでいた北前船の復元船。全長18メートル、幅5.8メートル、重量27トン。北前船の復元船は国内に4隻あり、そのうち航海可能なのは気仙丸を含め2隻だけだ。


「まさか無傷だったとは信じられない」と話すのは気仙丸の設計・建造を指揮した船大工の棟りょう新沼留之進さん(80)。被害を逃れた要因として、ロープを4本使ってしっかり係留していたほか、「船の構造は膨らみを持ち、厚い板材を使用していたので、津波の衝撃を吸収できた」とみる。
新沼さんの指導の下、船の設計・建造を担った気仙船匠会も「多くの人が亡くなり、たくさんの船も失った中、後世に伝えたいものが一つでも残ったことは大きな意味がある。地域の希望であり、力になる」と喜ぶ。


気仙丸は1992年に釜石市などを会場に開かれた三陸・海の博覧会に出展するため、大船渡商工会議所が中心となって発注した。(宮崎伸一)

2011年04月13日水曜日

河北新報より

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