4/20/2011

震災関連死」、震災による「直接死」

 

東日本大震災で、地震後、環境や体調の悪化などが原因で亡くなる人が後を絶たない。ショック死なども含めて「震災関連死」と呼ばれる。震災による「直接死」と違い、認定の判断基準が曖昧な上、混乱の中では見落とされがちにもなる。震災の犠牲者か否か。死の解釈をめぐって遺族や自治体が苦悩を深めている。(若林雅人)

◎母は犠牲者ではないのか/「病死」に長男疑問、「外因死」に訂正

「直接死因…循環器系の疾患」「死因の種類…病死及び自然死」

3月11日の地震発生直後に亡くなった仙台市宮城野区の女性=当時(71)=の死体検案書に長男(47)は首をかしげた。「母の死は、震災が原因ではないのか」

長男によると、女性は地震が起きた時、友人とJR仙台駅前のビル1階でエレベーターを待っていた。ビルの外に逃げようとし、先に出た友人が振り返ると、女性は路上に倒れていたという。
女性はパトカーで近くの病院に搬送されたが、既に心肺停止状態だとして病院は受け入れなかった。結局、仙台市内の警察署に安置され、2日後の3月13日に検視した医師が検案書を作成した。

納得できなかった長男は後日、医師に震災との関連を記すよう求めた。医師は「因果関係がはっきりしない」としながらも、死因の種類を「外因死」に訂正し、亡くなった経緯を付記する検案書の再作成に同意した。

1995年の阪神大震災以降、震災が何らかの形で影響した「関連死」の取り扱いが課題になっている。関連死は法的な位置づけや判断基準が明確ではなく、災害弔慰金の支給対象にできるかどうかにも関わってくる。

災害弔慰金支給法は、災害によって死亡した人の遺族に、市町村が条例に基づいて弔慰金を支給できると定めている。大半の市町村は、死亡者が生計維持者の場合500万円、その他は250万円としている。

「災害による死亡か否か」の認定は市町村に委ねられ、判断に迷うケースは、医師や弁護士ら有識者で構成する第三者の審査会が決める。判断に当たっては死体検案書などが重要な資料になる。
宮城県警は、女性を震災の犠牲者として発表した。発表基準は直接死に限っており、当初の検案書に基づけば関連死ですらなかった。県警の説明は「総体的に判断した結果だと思う」と曖昧だ。長男は自らの体験を踏まえ、「震災の犠牲者が、1人の医師の裁量で『震災とは無関係』と仕分けされるケースは、もっと多いのではないか」と疑問を投げ掛ける。


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