4/06/2011

「小さな遺体に涙こらえきれず…」法医学者が語る検視の現場

 



法医学者は遺体確認のプロだ。宮城県で警察に協力して遺体の
検案に当たっている法医学者の男性が、
「何が起きているか、事実を伝えたい」と重い口を開いた。





工場跡で検視にあたる県警の刑事派遣部隊=福島県相馬市(県警提供)
その日は被災地の小学校の体育館だった。天井からつるされたブルーシートで仕切られ、玄関側で警察官や法医学者が遺体の検視、検案を行う。ステージには身元の特定された遺体がひつぎに入れられ、家族との面会を待っていた。


教室から持ってきた机を並べて作った即席の検視台に遺体が乗せられる。泥や枯れ草は、警察官がわずかな真水を使ってぬぐってくれた。東北の寒さが、今はまだ遺体をきれいに保っていた。
体育館に並ぶ遺体は100体。遺体を見慣れた法医学者の自分でさえ、感覚がまひする被害の大きさだった。


ステージから常に遺族の泣き声やおえつが漏れていた。必死でこらえる声、運命を呪う声、ぶつける先のない怒りの声を聞きながら「冷静な科学者でいなければ」と必死に自制した。
しかし、自分の娘によく似た小さな遺体を目にしたとき、涙をこらえられなかった。大切そうに抱えていた緊急持ち出し袋には大量のレトルト食品が詰め込まれていた。持って走るには、きっと重過ぎただろう。


宮城だけで毎日100人以上の遺体が見つかっていたが、身元確認は遅れている。
骨の形状を読み取るエックス線撮影やCTはもちろん、歯型の写真さえ撮れていない。震災から3週間がたった。少しずつ損傷の激しい遺体が見つかり始めている。身元確認はどんどん難しくなるが、必要な情報収集ができていないのが現状だ。
http://sankei.jp.msn.com/

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