4/18/2011

福島第1原発:飯舘、川俣で説明会 福山官房副長官に憤り

 

福山哲郎官房副長官は16日、福島第1原発から半径20キロ圏外に設けられる「計画的避難区域」となる福島県飯舘村と川俣町を訪れ、住民らを対象にした説明会で「困惑と不安と心配をかけ、心からおわび申し上げます」と陳謝。そのうえで「健康第一、安全第一でいったん避難をお願いしたい」と呼びかけた。政府高官が原発周辺の住民に協力を求めるのは初めて。出席者からは「村民を置き去りにして話が進んでいる」などの反発が相次いだ。

飯舘村の説明会には自治会や農業、商工団体の代表ら約100人が参加。当初、冒頭20分だけ報道陣に公開する予定だったが、出席した村民の求めで全面公開になった。福山氏は避難先の仮設住宅建設や住宅借り上げ、農業被害の補償を確約。家畜の圏外移動や農地の土壌改良などを検討していると説明した。

これに対し、菅野典雄村長は「全村避難に驚き、不安、憤りの気持ちがある。ものすごい精神的、肉体的、経済的に、そして子供の心を傷める」と苦言を呈した。酪農家の男性は「微妙な体調管理もある。(家畜の移動は)無理じゃないか」と牛の全頭買い取りなどを求める意見が出たほか、「牛は家族と同じ。村を離れられない」といった声が出た。

参加者の一人は「私は村を守るため避難はしない。何か罰則はあるのか」と心情を訴えた。

福山氏は「安全に問題があると分かっていて、ここにいてとは言えないことも理解いただきたい」と理解を求めた。避難の終了時期については「原発がまだ不安定。原発の安定化に全力を注ぐ」と明言できなかった。

計画的避難区域は原発事故から1年間の累積放射線量が20ミリシーベルトに達する可能性がある福島県内の5市町村に設定され、原発から30キロ以上離れた両町村も含まれている。政府の避難指示があれば1カ月程度での域外への避難が求められる。飯舘村は全域が対象。

川俣町の説明会には約400人が参加。福山氏は同町内の計画的避難区域が一部にとどまることから、仮設住宅を町内の放射線リスクが低い場所に建設して「町内避難」を目指す意向を示した。【吉永康朗】


毎日新聞

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