4/20/2011

「母を畳の上で死なせたい」警戒区域に残る住民

 

福島第一原発から20キロ圏内の避難指示区域。建物はシャッターをおろし、人影は見えない=11日午前、福島県南相馬市小高区 (大山文兄撮影)

警戒区域に含まれる福島県楢葉町では21日夕、東日本大震災の発生以来、避難指示に従わず町に残っている元会社員夫婦が産経新聞の電話取材に答え、「たとえ自分たちは被曝(ひばく)しても、寝たきりの母を畳の上で死なせてあげたい」と理由を話した。

福島第2原発が立地する町は、約7800人のほぼ全員が県内外へ避難した一方、今月上旬の時点で13世帯17人が町に残っていた。地元町議らによると、これら13世帯も大半は21日までに避難指示に従ったが、この夫婦ら数世帯が残っているとみられるという。

夫婦によると、実母(91)が10年近く寝たきりのため、在宅介護を続けてきた。妻は「こういう年寄りを移動させたら必ず体調を崩す。体育館の避難所は寒いというし、実際に避難中に亡くなったお年寄りもいる。母も恐らく死ぬしかないだろうと思った」。

震災以降、県警が2回、自衛隊が1回、「ヘリコプターで搬送する」などと説得に来た。町がゴーストタウンと化し上下水道など生活インフラがすべてストップする中、20キロ余り離れたいわき市まで出かけて食料品や新聞を買い、洗濯をしているという。

警戒区域の指定はラジオと新聞で知るだけで行政側からの説明はないという。妻は「個々の状況を見て特例的なものを検討していただきたい。とにかく母を看取りたいだけ。もし万が一、第1原発が爆発して被曝しても、それは自分たちの選んだ道だから覚悟している」と話した。


MSN Sankei News  2011.4.21 21:10

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