4/13/2011

〈本の舞台裏〉「本の力」を信じてる

 

著者:尾田 栄一郎  出版社:集英社 価格:¥ 420


「東日本大震災で被災された人たちを、本で元気づけよう」という動きが出版界で広がっている。

日本書籍出版協会、日本雑誌協会など主要5団体は子ども向けを中心に寄贈する。当面、30万冊が目標。日本出版クラブ(03・3260・5271)は「なるべくきめ細かく対応する。どの被災地で、どんな本が必要かを知らせてほしい」と呼びかけている。

ウェブ書店の富士山マガジンサービスやネットオフ、絵本ナビなどは約1千カ所の避難所に向けて、書籍、コミック、絵本、児童書、パズル・クロスワード雑誌など計3万冊を発送した。

大手取次会社のトーハンは「ONE PIECE」など人気漫画から最新ベストセラー、小説、家庭の医学といった実用書までの50冊セットを、とりあえず10セット用意した。「みんなの図書館」と名付けて避難所に寄贈する。今後も続ける予定だ。

出版文化産業振興財団(JPIC、03・5211・7282)は、全国各地の読み聞かせボランティアと連携している。被災地やボランティア自身から要望があれば、派遣の仲介をしたり、資金面で援助したりするという。

業界各社は、本の売り上げ減、生産工場の被災による紙とインクの不足、流通ルートの寸断などが重なり、自らも苦境にある。そんな中での支援は「一冊の本が心を癒やし、励まし、勇気を与える」という思いがあるからだろう。

特に子どもたちに要望が強いジャンプ、マガジン、サンデーなど漫画誌は、大震災直後になかなか現地に届かなかったバックナンバーも含め、避難所に一冊でもいいから届けてほしい。それが漫画誌を支えてきた子どもたちへの恩返しになる。私もまた、本の力を信じている。(西秀治)


朝日新聞

    Choose :
  • OR
  • To comment