4/29/2011

東日本大震災 GWでボランティア大集結 受け入れ中止も

 

被災地での作業への参加希望に手を挙げるボランティアら=宮城県石巻市の石巻専修大で2011年4月29日午前8時42分、小林努撮影

東日本大震災の発生から50日目となった29日、大型連休を迎えた被災地には首都圏などから大勢のボランティアが次々と訪れた。各地の社会福祉協議会などによると、この日のボランティア新規登録者は判明分だけで4200人以上。日本全国だけでなく、ミャンマーからの難民も被災地に入り、復興に向け汗を流した。ただし、大きな被害を報じられた場所にボランティアが集中する一方、沿岸部の家屋の片付けは進まないなど、支援の「ミスマッチ」も課題として浮かんだ。

福島県では29日、普段の土日の約3倍に上る計1063人がボランティア登録した。県社会福祉協議会によると、内訳は新地町の災害ボランティアセンター(VC)81人▽相馬市VC149人▽南相馬市の二つのVC383人▽いわき市VC450人。同協議会はボランティアに作業を振り分けるコーディネーターを各センターに計約60人派遣、連休中の調整能力を強化する。

岩手県では大槌町の社会福祉協議会のボランティア窓口で280人が登録したのをはじめ、県内で約730人が登録。沿岸被災地の支援拠点になっている遠野市のボランティア受け入れ窓口「遠野まごころネット」は、県内外から駆けつけた約200人を、県南部の陸前高田市など沿岸4市町の被災地へ送り出した。同ネットには連休中、連日300人以上がボランティア登録しているという。

同ネットは遠野市社会福祉協議会や市民団体などで構成し、避難所などで活動したボランティアから被災者の要望を集約、派遣内容を決める。現在は▽倒壊した家屋の片付け▽介護・看護▽足湯▽炊き出し--などが主な活動だ。

ただ、被災地でくぎを踏んでけがをしたり、長旅の疲れから体調を崩すなど、経験不足な人が作業に出られないケースもあるという。同ネットは▽底の厚い靴やゴーグルを持参▽破傷風の予防注射を受ける▽出発前にボランティア保険に加入--といった注意点を呼び掛けている。【池田知広、青島顕】

◇「ニーズはある」

一方、ボランティアが現地で十分な活動をできない問題も生じている。一部の被災地にボランティアが集中する一方、被災地同士の連携がないため人材を生かし切れていないからだ。コーディネーター不足で「支援格差」を指摘する声もある。

宮城県では29日、判明分だけで2500人以上のボランティア新規登録があった。

このうち、津波被害の惨状が繰り返し報じられた石巻市のVCには1日平均約1000人のボランティアが訪れ、倒壊家屋や泥の撤去などを手伝う。被災者のニーズと手助けできる人の「マッチング率」は7割に達する。しかし、連休前に全国から「手助けしたい」との申し出が殺到。VCは1日2000人以上が来ることも予想し「このままでは善意が無駄になってしまう」と5月8日までの新規受け入れ中止をホームページで告知した。

だが、29日は決定を知らない希望者の行列ができ「そのまま帰ってもらっては申し訳ない」と昼までに1162人を受け入れた。千葉市の塗装業、倉益一樹さん(37)は小学4年の鈴音ちゃん(9)を連れて初めて参加。「連休を利用するしかなく、子供も手伝いたいと言っているので一緒に来た。受け入れてもらえてほっとした」

気仙沼市も同様に連休中の受け入れを中止、亘理町も5月1日から一時中止する。

南三陸町もこの日、通常の1・5倍にあたる345人が訪れて周辺道路が渋滞、午後から急きょ当日受け入れを取りやめた。人手があふれたVCが近隣で受け入れ可能な自治体を探すなど対応に追われたが、連携不足と県レベルの調整役がいないため、手助けできずに帰るボランティア希望者もいた。

その一方、県沿岸部には片付けの進まない家屋が膨大に残され、復旧には程遠い。あるVC関係者は「コーディネーター不足が受け入れ中止につながっているが、ボランティアの数が足りているわけでは決してない。コーディネーターを増やせばまだまだニーズに応えられるはずだ」と話している

【鈴木梢】

毎日新聞 4月29日(金)23時31分配信

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