4/23/2011

東日本大震災 津波で幼稚園児8人死亡 3人に卒園証書

 


津波が押し寄せたふじ幼稚園と大型バス=宮城県山元町山寺で2011年4月21日、
遠藤浩二撮影

東日本大震災の津波で通園バスが流され、園児8人と職員1人が死亡した宮城県山元町の私立ふじ幼稚園(園児181人、昨年5月1日現在)で23日、卒園式があった。出席した保護者によると、死亡した8人のうち3人が卒園予定で、遺影を手にした遺族らが卒園証書を受け取った。

式は北隣の亘理(わたり)町内で行われた。冒頭、全員で黙とうをささげ、鈴木信子園長が「助かったみんなは命を大切にしてください」と話したという。続いて亡くなった園児を含む69人の卒園生の名前が読み上げられ、一人一人に卒園証書が手渡された。亡くなった園児の名前が呼ばれると、遺族や職員が遺影を持って壇上に上がり、会場に父母たちのすすり泣きが漏れたという。

亡くなった木村萌依(めい)ちゃん(6)の父康文さん(35)は、遺影を胸に夫婦で出席し、娘に代わって卒園証書を受け取った。康文さんは「娘がいない卒園式には来たくはなかった。でも娘が楽しみにしていたので、娘の代わりと思って」出席することにしたという。それでも式後、「楽しみにしていたランドセルを背負わせてやれなかったのがつらい。泣いた顔、怒った顔、笑った顔、いろんな表情を思い出します。すべてが宝です」と沈痛な表情を浮かべた。証書は仏壇に供えて萌依ちゃんに報告するという。



幼稚園による保護者への説明などによると、当時、2台のバスで園児を順次、送迎中で、園には51人の子どもが残っていた。

バスが園に帰着し、引き続き小型バスに18人、大型バスに33人を乗せた後に津波が到達。小型バスは約150メートル離れた民家まで流されて止まった。職員が園児をバスの屋根に上げて民家2階へ避難させたが、1人が死亡した。職員1人も園児を助けた後に亡くなった。

大型バスは園庭の門で止まった。職員が園児をバスの屋根に上げ、更に園舎2階に避難させたが、7人が津波にのまれた。【澤木政輝、遠藤浩二】

    Choose :
  • OR
  • To comment