3/26/2011

東日本大震災:「必ず帰ってくる」米国人婚約者が不明 モンティ・ディクソンさん

 

岩手県陸前高田市の小、中学校で英語を教えるALT(外国語指導助手)だった米国人、モンティ・ディクソンさん(26)が行方不明になり、婚約者の渡部直子さん(36)=山形県天童市=が捜している。渡部さんは「きっと無事でいるはず」と信じている。

渡部さんは留学先のアラスカ大で、ディクソンさんと知り合った。09年夏、ディクソンさんは「日本の子どもたちに英語を教えたい」と来日しALTとなった。市教委学校教育課の菅野義則さんは「子どもとのコミュニケーションのうまさや熱心さ、日本語の能力、どれも最高」と話す。

11日は午前の授業を終え、市教委がある市民会館に戻っていた。突然強い揺れがあり、職員らとともに屋外の公園に避難したが、その後は津波から逃れようと各自バラバラになった。間もなく津波が押し寄せ、市民会館や市役所はあっという間にのみ込まれた。渡部さんはディクソンさんの携帯電話を鳴らし続けた。何十回目かのコールで、ようやくつながった。「今どこ?」「市役所に避難した」

そんな短いやり取りが最後だった。電話の向こうからはサイレン音が聞こえた。約1週間後、陸前高田市を訪れ避難所の名簿を繰ったが、名前は見つからなかった。

ディクソンさんは日本か米国の大学で教員になるのが夢だった。 「もし米国に行く時には、ついてきてくれる?」。ふだんの会話の中で何気なく聞かれ、渡部さんはいつも「うん」と答えていた。

渡部さんは「いつも人の気持ちを考え、前向きに取り組む人。日本が大好きだった彼は、必ず帰ってくる」とフィアンセを待ち続けている。【佐々木洋、谷口拓未】

3月26日 毎日新聞より

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