3/31/2011

優しかった友、遺体で 「先帰ってごめん」

 

東日本大震災で津波の被害を受けた岩手県野田村で、行方不明だった県立久慈工業高校2年生の内野沢美里(うちのさわ・みさと)さん(17)が28日、村 内の川から遺体で発見された。心配して車で迎えに来た伯父の深渡(ふかわたり)守さん(42)と車で下校中、津波に巻き込まれた。「みんないるのに、先に 帰ってごめんね」。友人へのメールを最後に行方が分からなくなっていた。

バスケットボール部マネジャーだった内野沢さんは地震発生時、部活動で学校の体育館にいた。自分の子どものようにかわいがっていた深渡さんは家に送ろう と駆け付けた。津波が到達する直前、バスケ部の友人に届いた絵文字入りのメールに人柄がにじむ。自分のことより人のことを案じる性格だった。

母めぐみさん(39)は「人の痛みに敏感な子。(8月6日などの)原爆の日には必ず黙とうするんです。『悲しい目に遭った人がたくさんいるから』っ て」。圧倒的に男子生徒が多い工業高校で生徒会議長を務め、「年2回の生徒総会では、235人の生徒を取り仕切っていました」と教員は振り返る。不登校の 生徒に声をかけるなど「みんなに優しい。だから、本当にしんどい」と同級生(17)は声を振り絞る。



◇生徒唯一の犠牲に 岩手・野田村

野田村では28日に内野沢さんを含む最後の行方不明者2人が見つかり、死者は38人になった。内野沢さんは村内の学校に通う小中高校生で唯一津波に巻き 込まれ、教員や同級生、地元で隣村の普代村の消防団員も参加して捜索したが、悲しい結末となった。内野沢さんは遺体安置所となっている同校体育館に運び込 まれ、延期されていた29日の終業式を仲間と共に迎える。

兄と次女を失っためぐみさんは、肩を震わせながら気丈に話す。「海に流されていなくて本当に良かった。みなさんには懸命に捜していただいて本当に感謝しています。美里の分まで復興に向けて頑張ってほしい」【尾垣和幸、堀江拓哉】

毎日新聞 3月29日(火)2時32分配信

南無阿弥陀仏

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