2/13/2011

大震災で妻と家失った男性 静岡の中学生と交流

 

阪神・淡路大震災で妻を亡くした神戸市兵庫区水木通、桜井健さん(83)が、静岡県の中学生たちと文通を続けている。桜井さんが作った震災時の様子を伝える紙芝居を見た中学生が、感想を送ったのがきっかけ。昨年は念願だった対面も果たし、桜井さんは「本当の孫のような存在。手紙に励まされている」と話す。(岸本達也)

桜井さんと文通しているのは、ボランティア活動などに取り組む静岡県裾野市立東中学校「福祉部」の生徒たち。同市は「東海地震」が起きた場合、大きな被害が想定されていることもあり、阪神・淡路の被災者との文通を続けていた。それを知った桜井さんが2年余り前、紙芝居に使う、震災直後の暮らしや街の様子を描いた絵20枚を同中に送った。

生徒たちは、桜井さんが震災で全壊した自宅に生き埋めになり、妻の房子さん=当時(64)=が亡くなったこと、救助活動や復旧・復興で住民たちが助け合ったことなどを紙芝居から学んだ。その後、感想の手紙やお礼の言葉を録画したDVDを桜井さんに送り、文通が始まった。

生徒からの手紙には、「あらためて大変なことが起こったと知りました」といった被災体験への感想のほか、「クラス替えがありました」「お正月は祖母の家に行きました」など生徒らの日常生活もつづられる。

桜井さんは花などの絵を添え、一人一人に返事を送った。昨年5月には、修学旅行先の京都で生徒らと対面、一緒にお好み焼きを食べ、それぞれの近況などを報告し合ったという。

震災発生から丸16年にあたる先月17日には、福祉部顧問の広瀬智子教諭が桜井さんと中央区・東遊園地の追悼行事に参加した。桜井さんは「紙芝居がすばらしい出会いにつながった。これからも震災後に生まれた子どもたちに地震のことを伝えていきたい」としている。

(2011/02/08 17:00)


神戸新聞社

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